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第1章:原因・理由の文法(N3)
「~おかげで」や「~せいで」など、物事が起きた理由を詳しく説明する表現を学びます。試験によく出る使い分けをマスターしましょう。
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JLPT N3 徹底対策レッスン
JLPT N3相当

【N3日本語】お知らせの文法をマスター!「によって・に対して・ために・につき・とおり」をわかりやすく解説

⏱️ 推定読了時間:約10分 / 📊 難易度:★★☆☆☆(中級の入り口)

【学習の前に】

市役所(しやくしょ)のお知らせや、学校(がっこう)の申込(もうしこ)み案内(あんない)などを読むときに、少し言葉が難しいと感じたことはありませんか?募集の案内には「インターネットによる申し込み」「希望者が多いため」「1人につき1つ」といった、特有の硬い表現がよく使われます。これらをマスターすると、日本の公的な書類や案内をスムーズに理解できるようになります!


What you’ll learn:

  • 公的なお知らせでよく使われる5つの重要文法の意味と使い方
  • 手段・対象・理由・単位・一致を表す硬い表現の使い分け
  • 日常会話のやさしい表現から、お知らせ用のかしこまった表現への言い換え
  • 実際の書類や案内を一人で正しく読み解くための読解基礎力

町の小さい畑(市民農園の募集)

町(まち)では、今年(ことし)も小さい畑(はたけ)を使(つか)う人を募集(ぼしゅう)します。

申し込みは、メールによってできます。畑は、1家族につき1つです。希望者(きぼうしゃ)が多(おお)いため、初めての人を先に選びます。詳しい内容は、下に書いてあるとおりです。質問がある場合は、受付(うけつけ)に対してメールをしてください。

1. 【によって / による】

意味・使い方

何かを行うための「方法」や「手段」を表します。日常会話で使う「〜で」の硬い表現です。「〜による+名詞」の形で後ろの名詞を修飾することもできます。
Indicates a method or means. It is a formal version of “〜で”.

場面:公的なお知らせ、ビジネス、論文、調査報告
接続

名詞 + によって
名詞 + による + 名詞
(例:インターネットによって / インターネットによる申し込み)

例文

① 市役所の案内によると、この手続きはスマートフォンによって行うことができます。
② 今回の市民農園の利用者は、書類による選考で決定されます。
⚠️ Common Mistake
個人的な日常の行動(ハサミで紙を切る、箸でご飯を食べるなど)には使えません。大きめのイベントや公的な手段に使います。
× はさみによって紙を切ります。
○ はさみで紙を切ります。
練習問題: 市は、住民から集めたアンケート( )調査の結果をウェブサイトに公開した。

1. による 2. によって 3. につき 4. に対して

正解:1
解説:後ろに「調査(名詞)」が続いているため、「名詞 + による + 名詞」の形にします。
2. 【に対して / に対する】

意味・使い方

行為や感情が向けられる「相手」や「対象」をはっきりと指し示します。「〜に向けて」という意味です。「〜に対する+名詞」の形でもよく使われます。
Toward / Regarding. Indicates the target toward which an action or feeling is directed.

場面:ビジネス、問い合わせ対応、公的な意見、批判・要望
接続

名詞 + に対して
名詞 + に対する + 名詞
(例:質問に対して / 住民に対する説明)

例文

① 窓口の職員は、利用者の質問に対して丁寧にわかりやすく答えた。
② 市の新しい計画に対する意見があれば、自由に提出してください。
⚠️ Common Mistake
単なる話題を広く言う「〜について(About)」と混同しないようにしてください。「に対して」は、その対象に直接アクションを起こしたり、対抗したりする強いニュアンスがあります。
× 日本の文化に対して発表します。
○ 日本の文化について発表します。
練習問題: 市民団体は、市長( )新しい施設の建設を中止するように求めた。

1. のために 2. によって 3. に対して 4. のとおりに

正解:3
解説:要求を向ける相手(市長)を表すので「に対して」が正解です。
3. 【ために】

意味・使い方

「理由」や「原因」を客観的に説明するときに使います。日常会話で使う「から・ので」よりも硬い表現で、お知らせやニュースで起きた事実(中止、遅延など)を伝える時によく使われます。
Because / Due to. Used for expressing causes or reasons objectively in formal contexts.

場面:ニュース、電車の遅延、イベント中止のアナウンス、公的文書
接続

動詞(普通形)/ い形容詞(普通形) + ために
な形容詞(普通形)[な] + ために
名詞 + の + ために
(例:希望者が多いため / 雨のために)

例文

① 希望者が定員を超えたため、今回の募集は抽選とさせていただきます。
② 強風のために、現在電車の運転を見合わせております。
⚠️ Common Mistake
「原因・理由」の意味で使う場合、後ろの文に自分の個人的な「意志(〜たい・〜つもり)」や「命令・働きかけ」の文を持ってくることはできません。
× 雨のために、今日のパーティーは行きたくないです。
○ 雨のために、今日のパーティーは中止になりました。
練習問題: 機材の故障の( )、本日のイベントの開始時間が遅れております。

1. につき 2. ために 3. によって 4. に対して

正解:2
解説:「故障」という名詞が原因・理由になっているので、「名詞 + の + ために」が正解です。
4. 【につき】

意味・使い方

「〜の単位ごとに」または「〜の割合で」というルールを表します。金額や人数、時間の制限など、条件を示す案内書類の定番文法です。
Per / For each. Used to indicate a rule based on a specific unit or ratio.

場面:料金表、利用規約、人数制限のお知らせ、駐車場の案内
接続

名詞(数量・単位) + につき
(例:1人につき / 1時間につき)

例文

① この駐車場は、最初の1時間につき400円の利用料がかかります。
② 人気のイベントのため、チケットの購入は1人につき2枚までと制限されています。
⚠️ Common Mistake
文章全体の理由を表す「〜につき(〜なので)」という別の意味(例:本日休業につき、など)もありますが、初級〜中級で案内文を見る時はまず「単位(ごと)」で覚えると混乱しません。
練習問題: 市民スポーツ大会には、1チーム( )2名までの外国籍選手が参加できます。

1. につき 2. によって 3. のとおりに 4. のために

正解:1
解説:「1チームという単位ごとに」という割合・ルールを示しているので、「につき」が正解です。
5. 【とおり / どおり】

意味・使い方

あらかじめ決まっているルールや、指示、過去のデータ、予想などと「まったく同じ状態・方法で」と伝えるときに使います。名詞に直接くっつく場合は「〜どおり」と濁音になります。
As / According to. Doing something exactly the same as a reference point.

場面:説明書の解説、予定の進行、案内文の指示
接続

動詞(辞書形・タ形) + とおりに
名詞 + の + とおりに
名詞 + どおりに
(例:書いたとおりに / 説明書のとおりに / 予定どおりに)

例文

① 畑の使い方については、説明書に書いてあるとおりに作業を行ってください。
② 今日のお知らせのイベントは、雨が降らなかったので予定どおりに実施します。
⚠️ Common Mistake
名詞の後に直接つなぐのか、「の」を入れるのかによって形が変わる点に注意が必要です。
× 予定のとおりに進みました。
○ 予定どおりに進みました。(または:予定のとおりに進みました。)
練習問題: 初めて家具を組み立てるので、取扱説明書( )やってみました。

1. によって 2. のとおりに 3. に対して 4. につき

正解:2
解説:「取扱説明書に書いてある通りに(同じように)」という意味なので「のとおりに」が正しいです。
総合問題
問1: 今回の町民祭りでの調理スペース利用は、1グループ( )1つのテントまでとなっています。

1. につき 2. によって 3. のとおりに 4. に対して

正解:1
解説:グループごとの割り当てルール(単位・制限)を説明しているため「につき」が適切です。
問2: 大雨( )、本日予定されていた屋外のボランティア活動は全て中止となりました。

1. に対する 2. のとおりに 3. のために 4. につき

正解:3
解説:中止になった客観的な「原因・理由」を述べる場面なので「(名詞)+のために」が正解です。
問3: 先ほど窓口でお伝えした( )、申込書に必要事項を記入してご提出ください。

1. によって 2. のとおりに 3. に対して 4. ために

正解:2
解説:「お伝えした内容と同じように」という指示なので「のとおりに(動詞のタ形+とおりに)」が正解です。
【学習のまとめ】

今日はお知らせや申込案内でよく見かける5つの重要文法を学びました!これらの言葉は日本の日常生活、特に書類手続きやイベントへの参加時に必ずと言っていいほど登場します。単語だけでなく「名詞につくのか」「動詞のタ形につくのか」といった接続の形に慣れることで、日本語の書類を落ち着いて読めるようになりますよ。ぜひ実際のお知らせを見つけて読んでみてください!

よくある質問 (FAQ)

Q. 「メールによって申し込みます」と「メールで申し込みます」は何が違いますか?
A. 表している手段の内容(意味)は同じです。しかし「〜で」は日常の会話で非常によく使われるカジュアルな表現で、「〜によって」は公的な文章や書類、ビジネスなどの硬い場面で好まれる表現です。
Q. 「〜に対して」と「〜について」の使い分けが分かりません。
A. 「〜について」は「About」の意味で、そのテーマに関する広い内容を話すときに使います。「〜に対して」は、その相手に向かって直接アクションを起こす(意見を言う、質問をぶつける、反抗するなど)ときに使います。
Q. 理由を言うときの「ために」と「から / ので」はどう違いますか?
A. 「から / ので」は日常会話や自分の個人的な気持ち・理由を説明するときに使われます。「ために」は、客観的な事実や社会的なニュース、お知らせなどで「こういう原因で、このような結果になった」と事務的に説明するときに好まれる表現です。
Q. 「1人につき」の「につき」は、「1人ずつ」と言い換えてもいいですか?
A. 似ていますが少しニュアンスが異なります。「1人ずつ」は順番(例:1人ずつ面接の部屋に入る)や個別の行動にフォーカスします。「1人につき」は「1人という単位に対して〇〇のルールを適用する」という料金や条件、制限の計算のときに使います。
Q. 「とおり」と「どおり」はどのように使い分ければいいですか?
A. 動詞の後に続くときは「書いたとおり」「言うとおり」のようにそのまま「とおり」を使います。名詞の後に続く場合、「の」を挟むときは「説明書のとおり」、名詞に直接くっつけるときは「予定どおり」「希望どおり」のように「どおり」に変化します。

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