JLPT N3 徹底対策レッスン
JLPT N3

「させられる」と「させてもらう」完全攻略!
気持ちを伝える表現力アップ講座

⏱️ 推定読了時間:約12分 / 📊 難易度:★★★☆☆ (中級)

【学習の前に】

皆さんは、仕事や学校で「やりたくないこと」を無理やり頼まれた経験はありますか?逆に、「どうしてもやりたい!」とお願いしてチャンスをもらったことはありますか?
日本語では、その時の「嫌だなぁ」という気持ちや「ありがとう」という気持ちを、動詞の形を変えるだけで相手に伝えることができます。今日は、そんな「心の声」を乗せる文法を、ある新入社員のストーリーを通じて学びましょう。


What you’ll learn:

  • したくないことを強制される「使役受身(させられる)」の使い方
  • 許可を得て感謝を表す「~させてもらう」の表現
  • 第三者の感情や感覚を表す「~がる」の使い方
  • 直後の予期せぬ変化を表す「~たとたん」
  • 急な開始や出現を表す「~出す」
  • 会話での定義や主題提示「~って」
今日のストーリー

プレゼン発表の日

入社1年目の健太は、ずっと憧れていた「未来プロジェクトって」企画チームに配属された。

最初はコピー取りや掃除ばかりさせられて、「辞めたい」と思うこともあった。しかし、先輩が忙しがっているのを見て、「僕に資料作成をさせてもらえませんか」と勇気を出して頼んでみた。それがきっかけで、今回のプレゼンを任されることになったのだ。

本番当日。マイクを持ったとたん、頭が真っ白になってしまった。しかし、会場の照明が消えてスライドが映り出すと、不思議と緊張が消えた。健太は深呼吸をして、自信を持って話し始めた。

1. 【~させられる(使役受身)】

意味・使い方

他の人に命令されて、したくないことをする時に使います。「嫌だ」「迷惑だ」「面倒だ」という被害の気持ちが含まれます。

場面:不満 / 被害 / 日常会話

接続(Conjugation)

Ⅰ (u-verb) ナイ形 + させられる
(短縮形:される)
行く → 行かされる
書く → 書かされる
Ⅱ (ru-verb) ナイ形 + させられる 食べる → 食べさせられる
Ⅲ (irr-verb) する → させられる
来る → 来(こ)させられる

例文

① 昨日、部長に付き合わされて、下手なカラオケを3時間も聞かさせられた
② 子供のころ、親に毎日ピアノを練習させられたのが嫌な思い出だ。
⚠️ Common Mistake
Ⅰグループの動詞でも「話す(すで終わる動詞)」などは、短縮形(話される)が使えません。受身形と同じになってしまうためです。
× 話される (confusing with passive)
○ 話させられる (correct causative-passive)
練習問題: 学生時代、先生に校庭を10周も(   )、本当に疲れた。

1. 走らせて 2. 走って 3. 走らされて 4. 走らせてもらって

正解:3
解説:「疲れた」という結果や文脈から、自分の意志ではなく強制的に走ったことがわかります。「走る(Ⅰグループ)」の使役受身は「走らされる(短縮形)」または「走らさせられる」です。
2. 【~させてもらう(使役 + もらう)】

意味・使い方

相手に許可をもらって、自分のしたいことをします。相手への「感謝」や「恩恵」の気持ちが含まれます。

場面:ビジネス / 敬語 / 許可・依頼

接続(Connection)

動詞(使役形)のテ形 + もらう
(例:行く → 行かせて + もらう)

例文

① 体調が悪いので、今日は早退させてもらってもいいですか。
② 素晴らしいチャンスをいただき、留学させてもらった両親に感謝している。
⚠️ Common Mistake
目上の人に許可を求める際、「帰りたいです」だけだと言い切りになり、少し子供っぽい印象を与えます。「帰らせてもらいたいです(帰らせていただきたいです)」と言うことで、相手の許可を尊重する大人の表現になります。
練習問題: 店長、来週の土曜日、友人の結婚式があるので(   )よろしいでしょうか。

1. 休ませられて 2. 休んで 3. 休ませて 4. 休ませていただいても

正解:4
解説:上司に許可を求める丁寧な表現です。「~させてもらう」の謙譲語(さらに丁寧な形)である「~させていただく」を使っている4が正解です。
3. 【~がる】

意味・使い方

自分ではなく、「第三者(他の人)」がそういう気持ちや感覚を持っている様子を客観的に表します。

場面:様子・状態の描写

接続(Connection)

・イ形容詞:「い」を取る + がる(例:寂しい → 寂しがる
・ナ形容詞:「な」を取る + がる(例:嫌な → 嫌がる
・〜たい:「い」を取る + がる(例:行きたい → 行きたがる

例文

① 彼は負けたのが悔しいのか、ずっと悔しがっている
② 最近の若者は、車やブランド品を欲しがらないと言われている。
⚠️ Common Mistake
「私は怖がっています(×)」とは言いません。自分の感情を話すときは、シンプルに「(私は)怖いです」を使います。「~がる」は他人の様子を描写する表現です。
練習問題: 田中さんは、明日注射を打つのをとても(   )います。

1. 嫌い 2. 嫌がって 3. 嫌で 4. 嫌がり

正解:2
解説:第三者(田中さん)の様子を描写しているので、「~がる」を使って動詞化します。「嫌(な)」はナ形容詞なので「な」を取って「がって」をつけます。
4. 【~たとたん(に)】

意味・使い方

~した直後に、急に何かが起こることを表します。後ろの文には「意外なこと」や「驚くこと」が来ることが多いです。

場面:変化・驚き

接続(Connection)

動詞(タ形) + とたん(に)
(例:飲んだ + とたん)

例文

① 窓を開けたとたん、強い風が入ってきて書類が飛んでしまった。
② 先生が教室に入ってきたとたん、学生たちは静かになった。
⚠️ Common Mistake
後ろの文に、自分の「意志(~しましょう、~つもりだ)」は使えません。
× 家に着いたとたん、寝よう。
○ 家に着いたとたん、眠ってしまった。
練習問題: お酒を(   )、彼は急に顔が赤くなった。

1. 飲んで 2. 飲んだとたん 3. 飲むとたん 4. 飲もうとしたとたん

正解:2
解説:「~たとたん」の前は必ず動詞の「タ形」です。飲んですぐに変化が起きたことを表します。
5. 【~出す(複合動詞)】

意味・使い方

急に何かが始まる、または内側から外へ出ることを表します。

場面:突発的な出来事 / 感情の爆発

接続(Connection)

動詞(マス形語幹) + 出す
(例:降り(ます) + 出す)

例文

① さっきまで晴れていたのに、急に雨が降り出した
② 彼は面白いアイデアを思いつくと、急にノートに書き出す癖がある。
⚠️ Common Mistake
日常的・計画的な動作の開始には「~始める」を使います。「~出す」は、予期せぬことや感情が急に溢れ出る場合(泣き出す、笑い出す)によく使われます。
練習問題: 地震が起きて、棚から本が(   )。

1. 落ちてきた 2. 落ち出した 3. 落ち始めた 4. 落ちた

正解:2
解説:突発的な動作の開始を表す「~出す」が適しています。「落ち出す」で、バラバラと落ち始めた様子を表します。
6. 【~って(定義・主題)】

意味・使い方

「~という(名前の)」「~というのは」の会話的な表現です。

場面:カジュアル / 話し言葉

接続(Connection)

名詞 + って
(例:田中さん + って)

例文

① 「佐藤さんって人から電話がありましたよ」
② 「NFTって何ですか?」「デジタル資産のことだよ」
⚠️ Common Mistake
「って」はカジュアルな話し言葉です。面接や目上の人とのフォーマルな会話では、「~という」や「~というのは」を使うのが適切です。
練習問題: 「田中さん(   )人から電話がありましたよ。」

1. って 2. など 3. とか 4. くらい

正解:1
解説:人の名前の後ろにつけて、「~という」という意味を表します。「田中さんという人」の会話的な表現です。
総合問題
問Ⅰ: A:「田中さん、また課長に怒られていたね。」
B:「うん。課長の説明がわかりにくいから質問しただけなのに、文句を(   )、かわいそうだったよ。」

1. 言い出して 2. 言わせて 3. 言いたがって 4. 言われて

正解:4
解説:文脈的に「文句を言われる(被害)」が正解です。「~出す」を使うなら「急に文句を言い出して(課長が)」となりますが、Bさんのセリフの主語は田中さん(被害者)なので不適当です。
問Ⅱ: A:「この『カヌレ』(   )お菓子、最近人気だね。」
B:「食べてみる? 友人が送ってくれたんだけど、私は甘いものが苦手だからあげるよ。」
A:「えっ、いいの? じゃあ、遠慮なく(   )。」

1. って / いただきます

2. という / 食べさせられます

3. って / いただきます

4. って / 食べさせてもらいます

正解:1 または 4
解説:前半は名前の定義「~という」の口語「~って」。後半は、単に「もらう」場合は「いただきます」が自然ですが、遠慮なく(私が食べる行為を)許可を得て行うという意味で「食べさせてもらいます」も文法的に成立します。
問Ⅲ: コンサート会場で、歌手が登場(   )、ファンたちは興奮して叫び(   )。

1. したとたん / 出した

2. させて / 始めた

3. したあと / たがった

4. するように / 出した

正解:1
解説:前半は直後の変化を表す「~たとたん」。後半は急に叫ぶ行為が始まったことを表す「~出した」。「叫び出す」は非常に一般的な組み合わせです。
【学習のまとめ】

お疲れ様でした!今日は「強制」や「許可」、「急な変化」を表す表現を学びました。
「したくないことをした時は ~させられた」
「感謝して何かをする時は ~させてもらう」
この2つを使い分けるだけで、あなたの日本語はぐっと深みが増し、感情が伝わるようになります。明日、誰かに何かをお願いするとき、ぜひ「~させてもらえませんか?」を使ってみてください。

よくある質問 (FAQ)

Q. 「~始める」と「~出す」はどう違いますか?
A. 「急」か「計画的」かの違いです。「~出す」は、予期せぬことが急に起こる場合(泣き出す、降り出す)によく使い、「~始める」は、日常的な動作や計画的な動作(習い始める、食べ始める)に使います。
Q. 「~させてもらう」を使いすぎると変ですか?
A. はい、使いすぎに注意しましょう。「私が傘を貸させていただく(×)」のように、相手のためになる親切な行為に使うと不自然で、慇懃無礼(丁寧すぎて失礼)になります。「自分の利益になること」について許可を求めるときに使いましょう。
Q. 「~させられる」の作り方が難しいです。簡単な覚え方はありますか?
A. 基本は「ナイ形 + させられる」です。Ⅰグループ(書く、飲むなど)だけ、短縮形の「~される(書かされる、飲まされる)」が使える、と覚えるとスムーズです。
Q. 「~がる」は自分のことには使えませんか?
A. はい、使えません。「~がる」は「外から見てそう見える」という意味なので、第三者(彼、彼女、子供など)に使います。自分のことは「~たい」「~ほしい」「~(感情の形容詞)」をそのまま使います。
Q. 「~たとたん」の後ろに「~したい」を使ってもいいですか?
A. いいえ、使えません。「~たとたん」の後ろには、意志(~したい、~しよう)や命令(~してください)は来ません。「~たとたん、~した/~てしまった」のように、完了した事実や変化が来ます。

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