日本では、ペットショップに子犬や子猫が並べられ販売されています。
欧米では動物愛護の観点からこのようなシステムはほとんどないのですが、残念ながらまだ日本では当たり前のように行われているのです。
しかし、その価値観をおかしいと感じる人たちは着実に増えてきていて、捨てられた犬などを譲り受ける「里親制度」を利用する人も多くなってきています。
日本に住む外国人の中にも、「里親になりたい」と思っている人は多いかもしれません。
この記事では、そんな「里親募集とは?」という疑問や「日本で捨てられたペットの里親になる方法」について解説していきたいと思います。
日本語のプライベート日本語家庭教師で対面又はレッスンをお探しならこちら。
Contents
日本では殺処分という大きな問題が起こっている
日本では、冒頭でも挙げた通り、ペットショップで生体が販売されていることが当たり前でしたし、ブリーダーから直接購入するといったケースもありました。
欧米にもペットショップはありますが、生体を販売している所はほとんどないですよね。
日本のペットショップから生体を購入した多くの人が、愛情を持って命が尽きるまで飼うわけですが、一部の人は飼育を途中で放棄してしまうこともあります。
また、ようやく個体へのマイクロチップ装着が義務化されましたが、これまでは迷子になったペットは見つけることが困難でした。
さらに、高齢者が犬や猫を飼い、ペットよりも先に人生を終えて残されてしまうケースもありました。
そうして動物愛護センターに引き取られたペットたちは、運良く引き取られるケースもありますが、「殺処分」となってしまうことも多かったのです。
例えば2020年のデータでは、犬27,635頭、猫44,798頭が動物愛護センターに引き取られ、返還や譲渡されたペット以外の犬4,059頭、猫19,705頭が殺処分となっています。
里親制度が徐々に広がりつつある
年間2万頭以上もの犬猫が殺処分されている事実は近年多くの人に知られるようになりました。
そして、近年ではペットショップやブリーダーから購入するのではなく、里親としてそういった犬猫を譲り受けるという人も増えてきているのです。
動物愛護センターでも譲渡をしていますし、保護犬カフェや保護猫カフェ、慈善団体による譲渡会などでも引き取ることが可能です。
また、日本人だけでなく、外国籍の人であっても里親になっている人も実際にいます。
里親制度は徐々に広がりつつあり、少しずつこの悲しい現実は改善されてきているのです。
日本でペットの里親になれる条件
実は日本国内でも「ペットの里親になりたい」と望んでいる人はかなり多かったりします。
しかし、実際にそういった人すべてに譲渡されるわけではなく、「審査」によって引き取れないことも多々あるのです。
日本でペットの里親になれる条件としては、以下のようなものが挙げられます。
- ペットを引き取る動物愛護センターがある地域に住んでいること
- ペットを飼い続けることができる経済力があること
- 引き取り手が成人であること
- 家族全員の同意が得られていること
- 去勢や避妊手術といった繁殖制限措置が行えること
- ペット可の物件に住んでいること
- 譲渡前後の訪問調査や指導を受けられること
- 毎年義務つけられた狂犬病予防注射や、混合ワクチン、フィラリア予防などを行えること
- 長時間ペットが家に置き去りにならない環境であること
このように、かなり厳しい条件が設定されているのです。
これは、無責任な飼い主に譲渡をしないためであり、転売目的で引き取るといったことがないようにするために必要なことなのです。
ビザで入国している外国籍の人だと、高い確率で審査に引っかかってしまうことでしょう。
日本人と結婚し、配偶者ビザを持っているケースでは、引き取れる可能性が高まります。
引き取るにも費用が掛かる
ペットの里親になるのに条件があることがお分かりいただけたかと思いますが、さらに引き取るためには「費用が掛かる」といったことも知っておく必要があります。
ペットショップなどと比べれば10分の1以下で済みますが、引き取り費用として1万円程度掛かることが多いのです。
「里親は無料で引き取れる」と勘違いしている人も多いのですが、実際には費用が掛かります。(自治体によっては補助金が出ることもあり)
ペットを飼うには毎月お金が必要であることを知る
犬や猫を飼うには、毎月一定以上の金額が必要となります。
エサ代はもちろん、トイレシーツ代やおやつ代、おもちゃ代、トリミング代、ワクチン代などが必要となります。
平均すると1ヶ月1万円程度(猫よりも犬の方が若干高く1万3千円程度)掛かります。
まとめ
今回は、「里親募集とは?」という疑問や「日本で捨てられたペットの里親になる方法」について解説してきました。
動物愛護センターや保護犬カフェ、保護猫カフェ、慈善団体などから里親として譲渡を受けることは可能ですが、かなり条件が厳しいということは知っておくべきでしょう。
もしも条件をクリアできる環境であるならば、ぜひペットの里親になることを検討してみてはいかがでしょうか?
関連記事: